金属表面(弊社ではステンレス)を平滑で光沢のある面に仕上げる加工方法。金属工作物を電解液中につけて陽極とし、溶液中の陰極との間に直流電流を流した時に起こる陽極の溶解反応を利用して表面を平滑化させる。電解液はリン酸系のものが主。加工面に組織の変化が起きず、複雑な形状のものや線、箔などの研磨も可能である。
図1電解処理イメージ | |||
製品(−)と電極(+)を図1のように電解液の中に浸し直流電流を流します。 | |||
図2溶解反応(平滑化)イメージ | |||
電解により凸部が優先的に溶解し、平滑化します。 溶解作用により表面に付着しているバフ粉や油分などの不純物も除去されます。 |
1.物理的に研磨しにくい部分の研磨が容易にできる
製品の細い先端部やパイプの内面など研磨しにくい部分も研磨可能です。
但し、製品の形状によっては研磨できない場合があります。
2.光沢をだして商品価値の向上
製品の焼け取りや付着物の除去をしたり光沢をだし製品価値を向上させる。
但し、製品表面処理の状況によっては光沢がでない場合があります。
3.耐食性が向上
もともと錆びにくいステンレスですが、電解研磨することにより表面は平滑化、酸化被膜が形成されるため
耐食性が向上します。
ただし、全く錆びないわけではなく、使用環境によっては錆びることがあります。
4.微細な表面の汚れを除去
加工やバフ研磨により付着した目に見えない微細な油分やバフ粉を表面が溶解することで除去することがで
きます。
5.溶接による焼け跡の除去
溶接による焼け跡を除去することができますが、よりきれいに焼け跡をとる場合は事前に酸洗いやバフ研磨を
する必要があります。
1.電解研磨後の液だれ
通常、電解研磨は製品を電解研磨液に浸漬して行います。製品に隙間があると、その隙間にも電解液が染み
込みます。
染み込んだ電解液は完全には取り除くことは非常に難しく、電解研磨直後は液だれがなくても、時間がたつ
と徐々に液だれが起きる可能性があります。薬品や食品等を扱う製品の場合、特に注意が必要です。
場合によっては液だれが起きないような再加工が必要になる場合があります
2.素材・形状・加工によって仕上がりにバラつきがでます
ステンレス種類(SUS304,316,430等)よっては光沢等の仕上がりにバラつきがでたり光沢が出ない場合が
あります。
また、製品のバフ研磨や加工によっても研磨の状況や細かい加工部分でご希望の仕上がりにならない場合が
あります。
3.電極跡が出る場合があります
電解研磨は製品に電極を接触させ直接電流をながすため、その接触部分に電極跡が出る場合があります。
これは電極の接触方法や接触場所、電流の大きさを変えることにより、回避できる場合があります。